ソロワーク✖チームワーク 2軸のスペース作りが進むバンダイ本社に潜入

Vol.6 株式会社バンダイ

東京都台東区駒形1-4-8

https://www.bandai.co.jp/

もうすぐクリスマス。子供たちにとってプレゼントに胸をときめかせる季節がやってきました。おもちゃメーカーとして社名を知らない方はいないであろう株式会社バンダイ様。2020年11月下旬にリニューアルされた本社ビル最上階のスカイラウンジや、1・2Fのミュージアムについて、またコロナ禍での働き方や施策について総務部の塩畑様・大橋様にお話をうかがいました。

総務部 総務チーム マネージャー 塩畑勝大様

総務部 総務チーム 大橋カーロン麗王様

 

新しく生まれ変わったスカイラウンジ

――2020年11月にリニューアルされたばかりの本社ビル14Fスカイラウンジについてお聞かせいただけますか?

塩畑:コミュニケーションが活性化し、そしてクリエイティブな発想が生まれるような環境にしたいという目的で14Fのスカイラウンジをリニューアルしました。アーティストの及川キーダさんに柱や壁にペインティングしていただき、色彩豊かな空間になりました。最上階で眺望もよいので、ミーティングするのにも最高のロケーションだと感じています。お客様や同僚との打ち合わせにも使えますし、カフェもあるので食事や休憩にも利用できます。チームワークを発揮できる場所でもあり、ほっと一息つける場所でもあります。

隅田川上空には極彩色の花が咲く

大橋:リニューアル前も同じ用途で利用できるスペースではあったのですが、あまり色みはなかったので今回とてもPOPな色調に生まれ変わりました。視界にグリーンがはいった方が業務効率が上がるというデータもありますので、適宜、植栽も配置しています。

まるでおもちゃ箱のようなカラフルな空間でアイディアも飛び出す?!

 

様々なスタイルの座席を配置 今日はどこで過ごそうか悩むのも楽しい

――年間を通じて総務部ではオフィスのリニューアルから企画まで様々なことに関与されているのでしょうか?

塩畑:本社は自社ビルなので、社内で決めた様々なことがコントロールできます。クリスマスデザインのビルラッピングも本日から開始なのですが、このような企画・管理も含めて年間を通じて取り組んでいます。

クリスマスラッピングされたバンダイ本社ビル

 

バンダイの過去・現在・未来を感じるミュージアム

――昨年(2019年11月)に本社ビル1・2Fフロアもリニューアルされたそうですが、その経緯やコンセプトについて教えてください。

塩畑:本社ビルが竣工してから16年が経過し、2020年はバンダイが70周年を迎えることもあったため、これまでの歴史とこの先の未来を感じていただける空間にしたいという想いでリニューアルをしました。

受付前の吹き抜けには大きなクリスマスツリーがお目見え

――1・2Fにはどのようなものが展示されていますか?

塩畑:1Fは現在と未来をテーマにしています。まず、teamLab様とコラボしたデジタルサイネージのタッチパネルインフォメーションウォールを展示し、現在までにリリースされた商品の情報を得られるパブリックアートのような空間を演出しています。ほかにも、平成から現在までの歴代仮面ライダーの変身ベルトの展示や、弊社が展開している各事業部の商品をご覧いただくことができます。おもちゃを中心に、ガシャポン、カード、菓子や食玩、アパレル、日用雑貨、化粧品と幅広いラインナップを取り扱っています。

 

パネルの画像をタッチするとリリースされた商品詳細が確認できる まるでバンダイライブラリー

 

ファンにはたまらない平成・令和の仮面ライダー変身ベルトが並ぶ

塩畑:2Fはバンダイのチャレンジの歴史をテーマに、1950年の自社製品第1号のリズムボールから、年代別にガンプラ、初代たまごっちなど歴代のヒット商品が展示されており、現在までのバンダイの歴史を体感できるようになっています。ご家族3世代でお越しいただいても話に華が咲き、楽しんでいただいています。

――オフィスの一部をミュージアムとして一般開放されることの意義や効果についてお聞かせいただけますか?

塩畑:浅草の街の活性化やCSR(企業の社会的責任)の面もあります。近くの保育園のお散歩コースになっており、園児たちが遊んでいってくださるので、私たちも嬉しく思っています。今はコロナ禍なので1・2Fの観覧はできないのですが、ビル横のキャラクターストリートを歩くだけでも様々なキャラクター立像が並んでいるのできっと子供達には楽しんでいただけると思います。

※1・2Fのミュージアムは本来は平日9:00~17:00まで一般開放されていますが、コロナウイルス感染拡大の影響で現在は一般開放を自粛されており、2020年12月現在、ミュージアムの再開予定は未定です。

 

1人の働き方 チームの働き方

――コロナ禍でオフィスの使い方や社員の働き方はどのように変化しましたか?

大橋:グループとしてリモートワークを推奨する流れなので、弊社でもリモートワークが進んでいる状況です。出社率は平均すると3割程度ですが、事業部によって商慣習やプロジェクトの進め方も異なるので、それにあわせて出社率もばらつきがあります。特に、企画・開発系の部署は実際の商品の大きさやパッケージの色味、手触りなど現物をチェックしながら打ち合わせしないといけない業務もあるので、そのような日は出社しています。

――働き方が変わったことで課題や工夫されていることがあれば教えてください。

塩畑:オンライン会議が増えており、執務室内でWeb会議をすると周りの声をひろってしまいますし、また、1人でWeb会議のために会議室を使うのは非効率なので、Web会議用個人ブースを試験導入しました。4階の会議室フロアに2台導入し、執務室エリアに導入したフロアも2フロアあります。いまのところ予約は不要で空いていれば利用可能にしており、社員の意見をききながら運用方法を検討し、2021年3月を目途に追加の導入を計画中です。

4F会議室フロアに試験導入されたWeb会議ブース

塩畑:来年3月のレイアウト変更時には「ソロワークとチームワーク」を融合したオフィスにしたいと考えています。商品をつくるためにはチームワークも欠かせませんので、Web会議ではまかなえない部分はチームワークをより発揮できるよう、総務部として環境作りに取り組んでいきたいと思います。

――3月のレイアウト変更に向けて、社員の意見をきくためにアンケートなどはとられていますか?

大橋:今回試験導入しているWeb会議ブースの中にアンケートを設置し、利用した社員に意見をきいていきます。執務室内にあるブースについては、該当部署の社員に直接口頭でヒアリングする予定です。

塩畑:今年はコロナの影響で世の中や働き方が大きく変わってきているので各部署と相談して要望はキャッチアップしています。

――フリーアドレス制のレイアウトを導入された部署はありますか?

大橋:組織変更の際に、先行してフリーアドレスを導入した部署があります。トイ事業を行う3事業部の編成を変えた際に、コミュニケーションを活発化させるためにフリーアドレスを導入しました。その部署の意見も聞きながら、今後のレイアウト変更にも活かしていきたいと考えています。

編集後記

14Fのスカイラウンジリニューアル、Web会議ブース試験導入、クリスマスデザインのビルラッピングとお披露目が続出の初日に取材にお伺いでき、光栄でした。自社ビルならでは、おもちゃメーカーならではの面白い仕掛けや取組みが満載でした。時代にあわせてオフィスの使い方をアップデートしていく取組みの数々は多くの企業の参考にしていただけるのではないでしょうか。

インタビュー・編集:服部 撮影:平井